エネルギー・環境教育セミナー 報告書


テーマ: エネルギー・環境教育セミナー
開催日時:

平成29年11月30日(木) 14:00 〜 17:00

場  所: 福井商工会議所ビル 地下 国際ホール
主  催: 福井県環境・エネルギー懇話会
共  催: 近畿・北陸エネルギー教育地域会議(資源エネルギー庁)
後  援: 福井県教育委員会
福井市教育委員会
■ 基調講演

演 題

これからのエネルギー・環境教育について考える
    〜主体的・対話的で深い学びの実現に向けて〜

講 師

文部科学省 初等中等教育局 主任視学官 清原 洋一 氏

講師プロフィール:

筑波大学大学院博士課程物理学研究科修了後、茨城県立取手第一高等学校教諭、茨城県教育研修センター情報教育課指導主事、文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官、同局視学官を経て、2014年4月より現職。中学校理科、高等学校理科の学習指導要領および解説の編纂、全国学力・学習状況調査等の問題作成や分析などに関わる。

(要旨)

1.エネルギー・環境教育と学習指導要領改訂

 これからのエネルギー・環境教育を新学習指導要領の下でどう展開していけばいいか、一つの解はないので、その切り口について考えていきたいと思います。

 今年3月、小中学校の学習指導要領が改訂されました。それから高等学校は、検討しているところで、もうすぐ案が公表されると思います。今回の学習指導要領は、これまでとは少し違った展開でまとめられています。特に総則が大きく変わりました。前文が設けられたり、前文の中に持続可能な社会のつくり手になることが必要だという文言が入っていたり、カリキュラム・マネジメントといったいろいろなキーワードも出てきています。実際、エネルギー・環境教育を行っていく上でも、今回の学習指導要領は非常に関連が深いと思いますので、そのようなことを中心にお話ししたいと思います。

2.今回の改訂のテーマ

 まず、改訂のスケジュールですが、今年度は周知・徹底の時期で、来年度は移行期間に入ります。今回の改訂は、大きな流れからいくと前回(2008〜09年)改訂された現行の学習指導要領を引き継いでいます。ただ、これからの社会状況に合わせてどう捉えていくかという点が今回の改訂の非常に大きなポイントになると思います。

 改訂の答申が出るほぼ1年前、国際学力調査の一つである「国際数学・理科教育動向調査(TIMSS2015)」の結果が公表されました。小学4年の算数・理科、中学2年の数学・理科を4年おきに調査した結果ですが、2015年は全てが有意に上昇していました。それから、いろいろ課題とされていたのは質問紙調査です。日本人はどうしても質問紙調査に控え目に答えるので、そのあたりが課題だといわれていました。理科や数学に向かう気持ちに課題があるのではないかといわれていたのですが、だいぶ改善傾向が見られました。

 2015年は、「OECD生徒の学習到達度調査(PISA)」の結果も公表され、つい最近は「協同問題解決能力調査」の結果も公表されました。ただ、こうした国際学力調査の結果は、良いときはあまり大きく取り上げられないのです。協同問題解決能力調査ではOECD加盟国中1位だったのですが、あまり取り上げられませんでした。

 最も取り上げられたのはいつかというと、2003年です。このときは義務教育をちょうど修了した高校1年生の段階で調査しています。読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの三つを中心に調査しているのですが、2003年の調査では読解力の低下が大々的に報道され、なおかつ理数も低下しているという報道もされました。しかし、2015年の調査結果では、当然上位をキープしていますし、質問紙調査でもだいぶ改善傾向が見られました。

 2015年からはコンピューターをベースにした調査方式(CBT)で行われ、筆記による調査とは少し異なった特徴があります。特に、科学的リテラシーと協同問題解決能力では、新しいタイプの問題を相当入れました。科学的リテラシーでは、何かを調べるときに条件をどのようにすればいいかを決定したら、今度はシミュレーションがあって、その結果を基にまた考察したことを答える構成になっています。こうした設問を見ると、日本の結果は非常にいいのです。でも、社会の状況などいろいろな変化があります。ですから、改訂の方向性について、今回は各教科でどうするかではなく、むしろ全体の方向性をどうしようかということから議論が始まりました。

 具体的にどんなことが話題になったかというと、特に顕著なのは、世の中の変化が加速度的になって、現行の学習指導要領でも知識基盤社会の中で世の中の変化の加速度がさらに増すといった表現が使われている箇所があり、実際に情報化やグローバル化が人間の予想をはるかに超えて進展している状況です。教育ですから、本来は100年先、あるいはもっと先を見越して議論したいところですが、例えばエネルギー問題を考えるにしても、なかなか100年先の見通しが持てません。そこで、こちらも2030年以降の状況を見通して議論しようということでスタートしたのです。

 特に典型的な例は、人工知能です。ちょうど中央教育審議会で議論しているときに、AlphaGoのニュースが出ました。コンピューターと世界のトッププロが囲碁で対戦し、コンピューターが勝ってしまったことが相当報じられました。このままいくと、いろいろな仕事が人工知能に取られてしまうのではないか、人間は何をしたらいいのかということを不安に思う人も出てくるようになりました。そこでいろいろな議論があり、やはり人間の良さは何かというのが一番大きなテーマでした。

 コンピューターや人工知能は、いろいろな情報を基に即座に一定の解を出すことが得意です。AlphaGoにしても、展開する場面は一定であり、コンピューター自体に学習させてどんどん強くするわけです。ただ、それは一定の土俵がはっきりしている場合にだけ、コンピューターは非常に力を発揮します。

 でも、人間の場合は、いろいろな出来事が起こっても力を発揮します。つまり、いろいろな状況が変わっても、コンピューターと違って豊かな感性を発揮します。あるいは、問題を自分で見いだして解決策を考えたり、自ら疑問や目的を考え出したりする力があります。答えがないような課題に対しても、いろいろ他者と協働しながら、完全な一定の解はなくても、納得解を見いだしていこうとする強みを人間は持っているのです。

 人間は豊かな心や感性を発揮したり、いろいろな出来事が起こって価値観が変わっても次に向かって歩み出したりできるので、そういう力をつけていくことが非常に大きなテーマでした。そこで、予測できないことに対しても主体的に向き合って、これからの社会を豊かなものにしていく子どもたちを育てようということになったのです。

 では、その力は何かというと、教育では「不易と流行」とよくいいますが、生きる力の根本的な部分はこれからも変わらないだろうと思います。新しいものとして小学校ではプログラミング教育なども少し出てきましたが、そういう部分もある一方で、どんな学習をしたらいいのかということが非常に大きな議論になったのです。

3.改訂の基本的考え方

 今回の改訂のポイントとしてまずよく出てくるのが、「社会に開かれた教育課程」です。学習指導要領は、実際に学校で教育を展開するときの基準です。でも、実際にどの学校でも全く同じように教育すればいいわけではありません。各地域の特性を生かしたり、子どもたちの特性を生かしたりする教育が行われる必要があります。エネルギー・環境教育においても、学習指導要領の総則の最初に、学習指導要領を基に各学校で地域の特色や子どもたちの特性を生かして教育課程を編成して実施することが示されています。

 教育課程が社会に開かれるということは、学校で何をしているかということをメッセージとして伝え、それに対して保護者も含めた地域社会と連携しながら、目標を共有していくことが大切です。しかも、教育は心と体を含めて昔から知・徳・体といいますが、それを社会とともに理想を掲げながら教育していくことが必要だろうと考えています。目標を社会と共有すること、子どもたちにどんな資質・能力をつけたらいいのかを明確化し、その目指すところを社会と共有・連携しながら実現することが理念になっているのです。

 今回、社会に開かれた教育課程をつくるに当たって、全体像を描きました。今回の大きな特徴として、まず「何ができるようになるか」が一番上にあります。それから、学習指導要領はこれまでも目標があって、「何を学ぶか」を明記していました。さらに今回は「どのように学ぶか」という部分にも、大枠の方向性として示していくことになりました。ですから、何を、どのように学んで、その結果、何ができるようになったか、それに対する評価も考えていこうということです。

 しかも、「何ができるようになるか」という各教科の目標は、これまでの学習指導要領では一文で示されていましたが、今回は三つの要素を明らかにしていくことにしました。それは、カリキュラム・マネジメントとも非常に関連します。つまり、「生きて働く知識・技能の習得」「未知の状況にも対応できる思考力・判断力・表現力等の育成」「学びを人生や社会に生かそうとする学びに向かう力・人間性等の涵養」です。

 教育基本法でも、最初に人格の完成を目指すことが示されています。そういう要素も少し入れた形で、従来の学力の三要素といわれたものよりも少し広い視点で捉えています。しかも、コンピューターなどが発達した社会になると、何かを調べるときに検索機能ですぐに調べられます。そうすると、知識・技能が実際に生きて働くことが重要になります。活用できなければ意味はないだろうということです。それから、思考力・判断力・表現力等の育成といっても、ただ何かを考えたり判断したりするのではなく、どんな状況にも対応できるものにしていこうとしています。それから、人生を豊かに生きていくという視点の目標にすることになりました。つまり、これらの柱をそろえることによって、各教科の目標を比較して見ることができます。ということは、各教科でどんな特徴があるのかも明確になります。

 当然、学校は学校の大きな目標を決めた上で展開しています。ですから、エネルギー・環境教育を例に取ると、エネルギー・環境教育を学校として展開していくための目標に対して、各教科がどう関わっていくかという位置付けや関係性も明確になる形にしたのです。

 それをカリキュラム・マネジメントといいます。この言葉は、管理職の先生方にとっては前々から知られている言葉だと思いますが、教科と教科をどうつなぐかが重要であり、子どもたちは実際にいろいろな教科を学んだり、学校全体としていろいろな取り組みをしたりする中で、学んだことを結局は統合して自分の生き方に落とし込んで使うわけです。ですから、全体としてのまとまり、関連を持たせると非常に効果的です。校長先生のリーダーシップも当然必要ですが、それだけでなく一人一人の先生方も一致協力しながらやっていこうという意味合いになっています。

 ですから、まさにエネルギー・環境教育を考える上でも教科横断的です。当然、各教科の役割もあります。あるいは、教科横断した中でもっと広い視点で何かを考えることができます。エネルギー・環境教育にとっても、非常に重要な要素が入っているのです。

 それから、「何を学ぶか」だけでなく、「どのように学ぶか」ということで、今回は諮問のとき、アクティブ・ラーニングという言葉が使われました。ただ、最終的には「主体的・対話的で深い学び」ということで、誤解のないように伝えた方がいいということになりました。

 アクティブ・ラーニングというと、どうしても対話的な部分に焦点が当たり過ぎるのです。つまり、子どもたちが授業で活発に行動した後、本当に実のあるものになったかというと、単なる雑談で終わってしまうこともあるわけです。まず、授業が本当に機能するためには、当然子どもたちが自分で何かを考えなければ、対話しても深まりません。ですから、こういうことをトータルに考えながら、主体的・対話的で深い学びができる子どもたちを育てようと考えています。実際の学習の展開の中でも、そういう学びになっているか、子どもたちが主体的に関わっているか、対話的に学んでいるか、深い学びになっているかといった授業改善の視点としても使っていこうと考えています。

4.「何ができるようになるか」を明確化

 まず、三つの柱のうち、育成すべき資質・能力を整理することになりました。非常に重要な要素ですし、表面的な知識であれば、検索すればいくらでも出てきます。そうではなく、理解したことを使って実際にいろいろ考えて判断・表現し、社会や世界とどう関わってよりよい人生を生きていくかということを、各教科でも明確にしていくことになりました。

 目標を明確にして、具体的に内容を展開していくときに、諮問の中でアクティブ・ラーニングという言葉が出たので、諮問が出た直後に「これからの教育はアクティブ・ラーニングなのですね」と質問を受けたりもするのですが、本質は違うのです。実際、日本は国際学力調査で非常に好成績を収めています。でも、これからの時代、どういう力をつけたらいいかを考えて、育てていくことが大事です。ですから、これまでの教育実践の蓄積に基づいて授業改善を活性化することが今回のポイントなのです。

 それから、若手教育にもしっかり引き継いでいくことも示しています。実際、学校の先生方は50代が4割を占めます。ですから、今回改訂される学習指導要領が展開する中で、学校の先生方が大幅に入れ替わります。その中で、これまでの良さをさらに活性化し、次の若い先生方に引き継いでいくことも必要です。ただ引き継ぐだけでは駄目で、子どもたちは次の時代を生きるわけですから、子どもたちにとって必要な資質・能力は何かを常に考える必要があります。当然それに向けての展開を常に改善していくことが求められます。

5.主体的・対話的で深い学び

 主体的・対話的で深い学びといったときに、議論の中では主体的あるいは対話的な学びは割と分かりやすいのですが、深い学びはなかなかイメージしにくいという意見が出てきました。実際に子どもたちが学習すると、何かを学んでいろいろ考えたりしながら、定着して身に付いた知識があるのです。最初は当然、一つの知識です。でも、だんだん学んでいくと、同じ教科の中でも前に習ったことと今習ったことを関係付けて理解したりすることも大切です。

 それから、子どもたちはいろいろな教科を学ぶので、今回の改訂では「『見方・考え方』を働かせながら」という言葉を各教科の目標の最初に付けたのです。実際、各教科で学んだことはばらばらかもしれませんが、学んでいく中では子どもたちが自分でいろいろと関連付けて理解するのです。関連付けるということは、「見方・考え方」を自由に働かせて、こういう視点でこの物事が起こっていると捉えたらどうか、あるいは別の視点で捉えてはどうかと考えます。ですから、科学的にものを見ることも必要でしょうし、社会科学的に見ることも必要です。あるいは、人の心の側面から見ることも必要でしょう。

 それは、エネルギー・環境を捉えるにしても同じで、いろいろな視点が必要です。これを自由に働かせながら、関連付けて理解し、さらに進めば自分で問題を見いだし、解決策を考えていったり、新たな考えや思いから何かを創造したりしていきます。深い学びには、ただ物事を知るだけではなくて、このようにだんだん深まっていくことが必要なのです。

 当然ゴールは、このことを自分でできるようになることなのですが、子どもたちの状況はそれぞれ違いますし、発達段階でも相当違います。ですから、段階に応じて、その子にとって深い学びは何だろうかと模索しながら育てていき、指導もその子に合った形で展開していくことが求められます。ですから、深い学びとは、指導の場面でいえば、より一段階上のものを先生方がイメージしながら、いかに子どもたちを育てていけるか、支援していけるかということが大事です。

 「見方・考え方」とは何か、中央教育審議会の各教科部会で議論していただきました。そこで出てきたものを、答申の資料にも付けました。その教科固有の見方や考え方が存在します。一方で、私も理科でずっと来ましたから、比較や関係付けは確かに当たり前だろうと思っていました。でも、他の教科でも実際にやっているところは結構あるのです。これは典型的な「見方・考え方」としてそれぞれ示しているので、焦点をどう当てたかによって多少ばらつきはあると思います。でも、教科固有のもの、共通するものがいろいろあります。ですから、これは完成したものというより、これらをヒントに各教科の「見方・考え方」という視点でもう少し関連付けて考えたり、その教科ならではのものは何かを探ったりする手掛かりになるだろうということで、資料として示しています。

 そういう視点で、主体的・対話的で深い学びとは何かということも答申の中に示されましたし、それを生かしていく視点で授業を改善していくことになっています。その中で、実際に子どもたちの学びをより確かなものにしていく点で、例えば各時間の授業研究、つまり1単位時間の指導案を示して、実際に授業を見て、その後で協議する手法があると思います。

 でも、子どもたちを育てていく上で、主体的・対話的で深い学びを子どもたちに着実に行うためには、学習の展開は一つの授業だけでなく、ある程度の単元や学習のまとまり、さらにいえば教科間の連携や1年間、3年間、6年間を通した教育も大切になります。ですから、より確かな学びを子どもたちにしていくためには、そういう長いスパンでの検討も必要です。

 それから、深い学びといってもいろいろな段階がありますから、その発達段階に応じた学びになるようにしていくことが求められます。

6.カリキュラム・マネジメントの確立

 当然、これらをつないでいく視点が必要であり、今回の改訂ではカリキュラム・マネジメントが強調されています。カリキュラム・マネジメントは、答申では三つの側面で整理されています。実際、学校として教育課程を具体的に編成するわけですから、当然その中で各教科の内容を相互の関係で捉えていく必要があるでしょう。エネルギー・環境教育はまさにそうです。

 ただ、これをいきなり全てやろうといっても大変です。例えばエネルギー・環境教育の実践は、1日でできたわけではありません。日々の積み重ねがあるわけです。やはり、こういう視点を入れながら、より確かなものに発展させていくことが大切ですし、教科横断視点が必要です。最初からいろいろな教科を関連させて何かしようとしても、先生方がパンクしてしまいます。

 私も学校の先生方と一緒に十数年前、教科を関連付けて指導することについてチームを組んで研究していたときがありました。そのときは、中学校の理科と数学の先生方に関わっていただいたのですが、関係する部分をいろいろ抽出した上で、実際に授業実践していただきました。例えば中学校の数学で学ぶ相似は、理科でレンズの学習をするときに使っています。そういう関連付けを先生方で協力して行っていただきました。すると、子どもたちからは、美術でも関連することをやっているとか、技術・家庭科の製図も関係しているという発言が自然に出てきたのです。

 実際、そういうことができるようになってほしいのは、児童・生徒です。ですから、児童・生徒にきっかけを与えることは非常に大切だと感じました。つまり、教科横断が今回の指導要領の総則に出てきたので、学校内でいろいろなところを関連させようとしても、一気にやろうとしたら破綻しますが、子どもたちにとって「これはやりやすいな」というきっかけになることがあるはずです。

 あるいは、地域の子どもたちでれば、企業が近くにあって、関連させれば実感が湧くようなことがあると思うのです。それは各学校・地域によって違います。そこに子どもたちの発想が広がるようなものを盛り込んでいくと、結果的に子どもたちは自分の学習の中で、本当にどんどん広げていきます。そういうきっかけを、学校の先生方がいかに実際の教育活動を通して子どもたちに与え、発展させられるかに懸かっていると思います。

 それから、PDCAサイクルの確立もよくいわれていますし、地域との連携や外部資源の活用も、エネルギー・環境教育という視点で考えるとぴったり当てはまることです。

 このように今回の学習指導要領は、実際にエネルギー・環境教育などをどう進めていくかという視点をもっと明確にして、教育活動を活性化することが非常に大きな狙いになっています。

 実際、総則も今までに比べて相当ボリュームが厚くなっています。総則でこういうことを示してもなかなかイメージがつかみにくいだろうということで、教科横断的あるいは現代的な諸課題の例を幾つか取って、このあたりであれば指導要領で関連付けられるのではないかというものを、総則に付録として付けようと動いています。今回、書きぶりを大きく変えたこともあって、調整にいろいろと手間取っています。指導要領の解説は冊子としてまだ出されていないのですが、特に総則などは、そういう参考例を示そうと考えています。

7.その他の教育内容の改善

 その他のポイントとしては、外国語教育の教科化やプログラミング教育などがあります。それから、今回の改訂と同時に、高大接続改革も実際に動いています。つまり、学校段階の接続も意識するということです。高大接続まで考えると幼稚園から大学まで、何らかの接続を良好にできないかという視点でも、今回改善していくことになります。

 あとは、特別支援教育もさらに充実しようと動いていますし、それ以外にも教育に関する改革についていろいろな答申が出ています。中でも、「次世代の学校・地域」創生プランでは、「チーム学校」といった言葉も出てきていますが、これは学習指導要領の基本的な考え方を示した答申の1年前に出ており、前年度の3月あたりにはいろいろな法律も改正され、教員の養成から研修まで、あるいは学校一丸となった地域との連携について、法律上でもいろいろと定められました。

8.まとめ

 こういう動きの中で、今回の学習指導要領には、エネルギー・環境教育を実施していく上で非常に重要な要素がかなり示されています。時代もどんどん変わる中で、社会に開かれた教育課程を理念として掲げ、子どもたちにどういう資質・能力を身に付けさせたらいいか、指導要領では大枠として各教科で示しています。

 では、目の前にいる子どもたちに対してはどうかというと、やはりもっとイメージを明確化した上で教育が展開される必要があるし、目標が三つの柱ということになれば、エネルギー・環境教育を学校で展開する際も、各教科の目標などとも関連させた上で、学校としてどうしたらいいかを明確化していくことが大切です。しかも、主体的・対話的で深い学びを実現するために、指導をどう改善していくか、学校全体としてどう取り組んでいくか、学校段階を隔てて地域でエネルギー・環境教育をどう展開していくかが重要です。中学校でただ同じようなことをしていたのでは効果が上がりません。

 それから、地域と共に教育活動をいかに展開していくかということは、地域社会を活性化する上で非常に欠かせないというのが、今回の学習指導要領の考え方です。エネルギー・環境教育と連動させながら、考えを深め、実行していくことが非常に大切ではないかと感じています。

 

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