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5周年記念号

今回の会報は、当懇話会の設立5周年記念号として、当懇話会会長あいさつ、西川新知事祝辞および過去5年間に実施した主な事業を掲載しました。また、児嶋福井大学長には、「設立5周年に寄せて」と題し、高速増殖炉原型炉「もんじゅ」の話や福井大学での環境・エネルギー問題への取組み、学校教育での環境・エネルギー教育の重要性などを述べていただきました。


会長あいさつ  福井県環境・エネルギー懇話会 会長 江守 幹男
知事祝辞 福井県知事 西川 一誠
5年間の主な事業  
「設立5周年に寄せて」 福井大学長 児嶋 眞平

5年間の主な事業


■平成10年
2月 懇話会設立総会
4月 会報「E&Eレポート」発行開始(年4回)
10月 滋賀環境ビジネスメッセの視察(毎年実施)
10月 北陸技術交流テクノフェアに出展(毎年参加)
11月 関西電力轄ul発電所、若狭湾エネルギー研究センター視察
「ふくい環境展」に当会のパネルと公用車(ハイブリッド車を展示)。当会のハイブリッド車「プリウス、トヨタ」は県内第1号(平成10年6月)


■平成11年
2月 ISO14001セミナー
3月 六甲新エネルギー実験センターの視察
7月 青森県六ヶ所村の視察
9、10月 E&Eセミナー(毎年開催)
10月 アメリカ西海岸環境ビジネス視察
 
 


■平成12年
2月 千葉県 東浜リサイクルセンター視察
環境・エネルギートーク 江戸風俗研究家 杉浦 日向子 氏
6月 志賀発電所、黒部川第四発電所の視察
エコ・エネルギー展」開催
7月 環境・エネルギーに関する講演と弦楽四重奏(毎年開催)
9月 北欧 環境・技術開発視察団
11月 経営特別講演会 NEDO 副理事長 牧野 力 氏
環境・エネルギーに関する講演と弦楽四重奏(平成12年7月)
青森県六ヶ所村、原子燃料リサイクル施設の工事現場を視察。(平成12年10月)


■平成13年
2月 総合的な学習の導入に向けた環境・エネルギー教育セミナー
3月 「北九州エコタウン事業」の視察
環境・エネルギー講演会 作家 辰巳 渚 氏
6月 茨城県 核燃料サイクル開発機構大洗工学センターの視察
7月 日鉱敦賀リサイクル(株)の視察
8月 「もんじゅ」、美浜発電所の視察
10月 関西方面関連施設視察
11月 エネルギー委員会設置(年4回委員会開催)
12月 総合的な学習における環境・エネルギー教育セミナー
環境・エネルギーセミナーのポスターセッション(平成13年12月)


■平成14年
1月 エネルギー講演会 資源エネルギー庁長官 河野 博文 氏
環境・エネルギー講演会 東京大学名誉教授 茅 陽一 氏
3月 環境保全セミナー 安田総合研究所 岡崎 康雄 氏
日本原電敦賀発電所3、4号機建設予定地視察、北陸電力志賀原子力発電所視察
6月 澄川地熱発電所、六ヶ所村視察
8月 エネルギー講演会 原子力委員会 委員長 藤家 洋一 氏
先生方のためのエネルギー関連施設視察会
9月 欧州環境・エネルギー視察
10月 大阪商工会議所会員の県内原子力施設見学
11月 京都商工会議所会員の県内原子力施設見学
原子力防災訓練の視察
12月 「原子力との共生を目指して」提言
総合的な学習における環境・エネルギー教育セミナー
河野長官エネルギー講演会「わが国のエネルギー政策と原子力の役割」(平成14年1月)
エネルギー委員会が柏崎商工会議所と「原子力との共生のあり方」について懇談(平成14年8月)
フランス国立原子力科学高等技術学院を訪問。原子力工学技術の人材育成、子供のエネルギー教育について意見交換する(平成14年9月)


■平成15年
2月 勝野局長を囲む懇談会開催
4月 第36回 原産年次大会への参加

平沼大臣に「原子力との共生に関するタウンミーティング」福井開催を要請(平成15年4月)




福井大学長 児嶋 眞平
 
 福井県において、環境とエネルギー問題の啓発活動に真っ正面から取り組んでこられた「福井県環境・エネルギー懇話会」が設立5周年を迎えられ、これまでの関係者のご努力に心からの敬意を表します。これからもますます活動の幅を広げていただき、環境保全産業やエネルギー関連産業など地域産業の活性化に貢献されますとともに、環境とエネルギーに関する情報発信と教育振興にも更なる寄与を期待しています。
 ところで、平成15年4月に、第36回原産年次大会が、敦賀市と福井市で開催されましたことは、原子力産業立地県として、きわめて意義あることであったと思います。世界の環境・エネルギー問題について長期的な視点で冷静に考えれば、将来の基幹エネルギーは、どうしても原子力に頼らざるを得ないということは明らかであります。今年の原産年次大会では、あらゆる視点で原子力の安全性と重要性を、大会参加者の共通認識とすることができました。また、福井県民にも、原子力エネルギーと環境問題について、正確な情報を新聞報道等を通して広報できたことも大きな成果の一つといえるでしょう。
 今年の年次大会のハイライトは、核燃料サイクルシステムの確立が、原子力政策の最も重要なポイントであることを確認できたことでした。運転を終了した「ふげん」によるMOx燃料の使用実績が世界一であることなど、「ふげん」を総括評価するとともに、当面は軽水炉によるMOx燃料の使用開始が核燃料サイクルシステムにとって重要であること、長期的な視点では、高速増殖炉による核燃料サイクルシステムを確立しておくことが、21世紀の半ば頃までに必要になるということは、各講演者の一致するところでした。そういう意味でも「もんじゅ」の運転早期再開が喫緊の課題であることを、参加者一同が再確認しあった大会となりました。
 「もんじゅ」について、昭和58年の国の安全審査は無効であるという、全く予期しなかった高裁判決が1月27日に出されました。しかし、この判決文を丹念に読んでみると、科学技術的には到底考えられないことが、次々に起こるという仮定を積み重ねた結果、安全とは言えないと考えるに到ったということでして、あまりにも非論理的な判決文の内容には驚くばかりです。多くの科学者も、この判決文には科学技術的な間違いや論理の矛盾がたくさんあることを指摘しています。原子力発電システムは、たとえ故障や不具合や操作ミスがあっても、何重もの安全設備や操作で、周辺環境に放射能汚染が起こらないように、安全設計されています。ナトリウムを冷却材として使用する「もんじゅ」では、軽水炉以上に特別に厳重な安全システムが設計されています。平成7年のナトリウム漏れ事故以後、温度計の改良だけでなく、設備改善など安全総点検が行われてきました。
 平成13年7月以来、国の安全審査とは独立に、5人の専門科学者と、私(委員長)の6人で構成する福井県が独自に設置した「もんじゅ安全性調査検討専門委員会」を、ほぼ1ヶ月に1回のペースで開催して、公開で慎重に調査・検討してきました。本年1月10日に開催した第14回の委員会までで、各事項の審議をほぼ終了し、「もんじゅ」の安全性について報告書を纏める段階に来ていましたが、意外な高裁判決が出ましたので、委員会として科学技術的に判決文を精査する必要性が出てきました。慎重に精査して、設備改善を踏まえた「もんじゅ」の安全性について、委員会としての結論を年内に纏める予定です。できるだけ県民の皆さんにわかりやすく説明したいと考えています。
 福井大学は、原子力エネルギー立県の福井県にありながら、これまで原子力産業との関係はきわめて薄かったのですが、近年、関西電力、日本原子力発電、核燃料サイクル開発機構との共同研究が増え、昨年度は13件の共同研究に取り組んでいます。また、原子力産業に関係する高度な科学技術者を養成して、原子力発電の安全性を一層高めていくことが原子力産業界から強く求められ、原子力産業と共生して地域が発展していくうえで地元大学の貢献が期待されています。福井大学では、大学院工学研究科に「原子力・エネルギー安全工学専攻」を平成16年4月に設置したいと、文部科学省と目下懸命な折衝が続いています。原子力と安全工学と地域共生がこの専攻のキーワードです。
 小中高における環境・エネルギー教育も、日本はきわめて不熱心な国であったと思います。とりわけ原子力は原子爆弾との連想で、原子力は怖い・汚いという悪いイメージが大方の日本人に染みついてきました。原子力の平和利用についても、放射能汚染の怖さからか、肯定的に考えたくないと思う人が多かったように思います。このような反省から、経済産業省は、エネルギー教育調査普及事業を昨年度から開始し、その事業に取り組む地域拠点大学として14大学を指定しました。幸い福井大学の「エネルギーに関する教育・啓発・広報ネットワーク構築の為の研究」というプロジェクト申請が認められ、地域拠点大学に選ばれました。福井県の教育、行政、産業界の関係者で福井エネルギー教育研究協議会を結成することがで、本懇話会もその有力な一員となっていただきました。3年間の研究で成果を挙げることができるようにと、懸命な取り組みを福井大学を中心に進めているところです。福井県における義務教育において、エネルギー教育がしっかりと実施できる日が来ることをご期待ください。
 平成10年に、福井大学は、地域環境研究教育センターを設置して、地域の自然環境、社会環境、生活環境などあらゆる環境問題について研究し、それらの研究成果を地域に発振していく活動を続けてきました。今秋9月12日には、福井県環境エネルギー懇談会と共催で、ISO14001認証取得についてのシンポジウムを開催予定です。地域の環境問題に関する学術中心としての貢献を今後とも積極的に展開していきます。
 以上のように、福井大学もようやく重い腰を上げて、積極的に環境・エネルギー問題に取り組むことになりました。福井県環境・エネルギー懇話会を中心にした産官学の連携・協力に福井大学も参画して、地域の発展・啓発をめざして行きたいと念願しています。


 

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